「技術、産業翻訳で必要な知識は」IT 工業 産業翻訳/取扱説明書制作
わたしたちは翻訳のプロとして日々精進しなくてはなりません。
ということで、
技術翻訳をするうえで、必要であり大切だと思える考え方を書いてみます。
(1) 語学力(英語と日本語)
(2) 専門分野の基礎知識
(3) 基礎翻訳力(語学力+調査能力)
(4) 品質を安定、向上させるための技術と経験と管理システム
(5) コンピュータ関連の知識と翻訳支援ソフトウェアの利用
(1)「語学力」
当たり前であり翻訳以前の問題ではありますが大変重要です。特に日本語の表現は難しいため、翻訳能力の基礎と考えます。
(2)「専門分野の基礎知識」
技術翻訳と言っても広範囲にわたります。また、複数の分野の知識が必要な内容を翻訳しなければならないこともあります。
翻訳者になる前に、その分野の業界で働いた経験のある人がいる場合もありますが、そうでない人もたくさん存在します。
しかし、一流の翻訳者でもあらゆる分野を網羅している方はおりません。
そのため、実際に必要なのは、たくさんの分野の専門知識を持っていることではなく、専門知識を積極的かつ好奇心をもって調べられる調査能力と考えます。
その専門分野に関する基礎知識の習得に努めるべく、お客様のセミナーに参加したり、製品を操作させていただいたり、マニュアル類を読込んだりします。
専門分野の核となる基礎的な用語がわからないと、新しい知識を調べる時も何をどう調べてよいかがわからないし、見つかっても意味が理解できないということです。自力で新しい知識を調査するだけの土壌、それが専門分野の基礎知識であり、あるのとないのとでは天と地の違いだと認識しています。
(3) 「基礎翻訳力」
上記(1)(2)の2つの基礎を土壌にして、語学勉強したり翻訳業務を経験しながら、基礎翻訳力を養っています。
(4) 「品質を安定、向上させるための技術と経験と管理システム」
お客様に認められる翻訳は、一般的な語学力や専門知識の他に翻訳の技術や経験も必要です。
ただし、技術や経験はすぐに身につくものではありません。
そこで、品質管理システムが重要になります。
プロジェクトマネージャーが全体スケジュール、進行管理を行い、最終検品する。
翻訳コーディネーターが翻訳者の管理をし、品質管理項目シートに基づき、抜け語訳、専門用語・表記表現チェック、文法チェック、読みやすさのチェックを行う。
仕様変更時の対応や納品後のメンテナンス対応も行う。
営業担当がお客様との窓口となり、契約、進捗状況報告、納品前チェック、納品処理、アフターケアを行う。
このように各担当が役割を遂行することで、納品物、ひいてはプロジェクト全体の完成度を上げます。
(5)「コンピュータ関連の知識と翻訳支援ソフトウェアの利用」
調査能力を持つためのベースとしては専門分野の基礎知識が必要ですが、基礎知識レベルを超えた専門用語に対応しようとすると、調査手段を身に付ける必要があります。コンピュータの発達が目覚しい現在ではコンピュータやソフトウェアをどう利用するかが重要になります。
調査手段として一番簡単であり、存在するのであれば専門辞書の活用です。時には国会図書館に行くこともあります。
実際は、効率的に情報を手に入れようとするとインターネット検索を活用します。
また、現在は一度翻訳した文章をデータベース化し再利用するための翻訳支援ソフトウェア(わたしたちはTRADOSを利用)の活用が主流になっていますので、翻訳の効率向上、品質安定、向上に大変役に立っています。難しい操作ですが。。
今後も品質向上に努めねば。
これから池袋で打ち合わせです。