「古典翻訳」欧州/アジア言語 技術文書翻訳サービス会社のコラム
2024年8月15日(木)8:30
今回は、出版翻訳者の講演に行き、聞いた内容を共有します。
主に経済学関連の翻訳を手がけており、
古典新訳も翻訳されている方でした。
最初は、実務翻訳をされていたとのことです。
○テーマ
訳例で読み解くノンフィクション翻訳 訳文のクオリティを上げるには
大きく「読む」「書く」「見直す」という3つの観点から話をされていました。
前提:「翻訳とは」外国語を読んで理解する→理解した内容を日本語で書く作業である
1.読む
●翻訳は深い読書である。
一語一句を知り、文章の位置づけを理解する。
英語は、パラグラフの位置づけを把握していないと、
どっちの主張かが分からない。
●書き手の人格や意思を感じとる
翻訳をしている内に慣れてしまい、最初は違和感があったが、
慣れてしまう。
●テクスト(文献、文章)全体を文脈と考える。
前の文章を説明しているのか、後にくる文章を導くのか。
骨組みの理解が重要。
●文法に頼るときは危ない
文法がすべてでは無い。
●事実はノンフィクション翻訳の最強の味方
2.書く
●訳文も日本語である
言葉に敏感になる
辞書や定訳を疑ってかかる
英語の特性・日本語の特性を知る
●論理展開や読者の思考の流れを妨げない
●書くことはエンターテイメントである。
3.見直す ※短納期だとこれができなくなる
●見直しはクオリティの決め手
●「名訳」は危ない
自分で良い訳だなと思っていると危ない
●自分の癖や歩留まりを知っておく
癖とは、例えば「何しろ」「そもそも」など。
歩留まりとは、どれくらい間違いがあるかを知っておく。
●最後は読む速さで
講演の項目は、以上の内容でした。
約20個の例文を用いながら話をされました。
長文の事例が多かったため、
短い例文を書くことにします。
【辞書や定訳を疑う】
●at least
You must check in at least 45 minutes before departure.
少なくとも45分前までに~となりがちだが、
45分前には~と”は”だけでat leastを表現することもできる
You must at least try it.
少なくとも~ではなく、
やるだけやってみろと表現することもできる
●not only A but also B
この文法はBを協調させることが重要
He can play not only the guitar but also the piano.
彼はギターも弾くが、じつはピアノも弾ける。
When writing consider not only your topic but also your audience.
書くときには、テーマはもちろんのこと、読み手のことも考えなさい。
あとは、語順を変えるだけで、読みやすい文章になるとおっしゃってましたね。
翻訳コンテストの審査をしていてよく感じることらしいです。
みんな真面目に翻訳しているが、語順が悪いと。
簡単に言うと
”I~”で
”私は、~”
と文章を書き始める必要は無いと。
最後に、懇親会で質問をしてみましたので共有します。
Q1.文章力を磨くためにどのような本を読んでますか?
A.好きな本を読んでます。実務翻訳をしていた時は、新聞を読んでました。
Q2.書籍により文体や使用語彙が少し違うと思いますが、それらを決める判断基準や、
決め方など、何かいつもやっていることがありますか?
A.判断基準は無く、自然に感じた通りにする。専門性が高く、読者が専門家なら
専門用語をあえて多く使う。
Q3.最初に読んでアウトラインなどをメモしますか?
それともいきなり翻訳を始めますか?
A.いきなりは始めません。
目次→前書き→最終章→1章ずつパラグラフごとに読んでから始めます。
Q4.出版翻訳と実務翻訳とで訳し方は違いますか?
A.違わない。ただし、古典は違います
Q5.どのような辞書を使ってますか?
A.
[使い方の分かる類語例解辞典]小学館
そのほかにもおすすめして頂いたものを書きます。
木下是雄 [理科系の作文技術]中公新書
本多勝一 [実践・日本語の作文術]朝日文庫
柳父章 [翻訳語成立事情]岩波新書
[記者ハンドブック]共同通信社
オンライン英仏辞書Linguee フランス語翻訳に興味のある方へ
Linguee
【英語で一言】
「ええ~、知らなかった!」 Wow, I didn’t know that!
【語彙を増やそう】
縁 よすが clue(クルー)
たよりにするところ。手がかり。
彼女からの葉書を思い出の縁とする。
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